りゅうちゃんの投資ブログ

20代のサラリーマンが「資産運用・投資」「金融リテラシー」「オススメ本」について書いています。

【米国高配当ETF】VYM、HDV、SPYDの比較とおすすめ。

f:id:ryu_ryuchan:20200506120543j:image

 

今回は、米国高配当ETFでも人気の高い「VYM」「HDV」「SPYD」の3つを比較していきます。

 

 

投資信託だけでは物足りない」「インカムも欲しい」と、思っている人におすすめするのが『高配当ETF』です。これを1つ買うだけで手軽に分散投資ができ、お金も入ってきます。そして、多くの人が投資信託+高配当ETFをやっている気がします。

 

また、高配当ETFを検討している人は上記のどれが良いか悩むと思います。私自身も何度も悩みました。

 

そんな人の悩みを少しでも解決できるように、分かりやすく比較していきたいと思います。

 

それでは、ご覧ください。

 

 

  

VYMとは

  • VYM(バンガード・米国高配当株式ETF
  • バンガード社が運用
  • FTSE ハイディビデンド・イールド・インデックスのパフォーマンスへの連動を目指す
  • 米国大型株の中から、配当利回りが高い上位400社程度を対象としている(REITは除外)

 

VYMは米国高配当ETFの中で一番人気があり、唯一リーマンショックを経験しているため、信頼・実績があります。

 

しかし、他の高配当ETFと比べてしまうと、配当利回りが低く感じてしまいます。

 

「VYM」については、以下の記事で詳しく書いています。

ryu-ryuchan.hatenablog.com

 

 

HDVとは

  • ブラック・ロック社が運用
  • 財務状態が健全であり、配当支払いの持続が高い企業の上位75銘柄程度を対象としている
  • 投資家に配当を支払うことのできる資金余力(配当力)によってウェイト付けを行う

 

これを見る限り、HDVは安定した運用を目指しているように感じます。また、連続増配銘柄も多く組み込まれているため、増配銘柄好きにはたまらないと思います。

 

HDV」については、以下の記事で詳しく説明しています。

ryu-ryuchan.hatenablog.com

 

 

 SPYDとは

  • ステート・ストリート社が運用
  • S&P 500 高配当指数のパフォーマンスへの連動を目指す
  • 「S&P500」のうち、配当利回りの高い上位80銘柄(REITも含む)を対象としている
  • 均等加重平均を用いている

 

3つの中で、配当利回りは一番高くなっています。そして、設定日が一番新しいため、今後どうなっていくのか未知数で面白いと思います。また、不動産セクターが多いので、他とは違う値動きをすると思います。

 

しかし、コロナショックで大きく下落したことが投資家の中で話題となりました。

 

「SPYD」については、以下の記事で詳しく説明しています。

ryu-ryuchan.hatenablog.com

 

 

「VYM」「HDV」「SPYD」の比較

基本情報の比較

それぞれの設定年や単価、経費率といった、基本情報の比較をしていきたいと思います。

 

f:id:ryu_ryuchan:20200822001413p:plain

経費率にそこまでの差は感じられないので、気にすることはないでしょう。しかし、銘柄数や配当利回り、純資産総額はバラバラとなっています。

 

まず、銘柄数に関してです。「銘柄数が多ければ多いほど分散ができている」と、思われています。しかし、20~30銘柄でも十分と言われているので、「多ければ良い」というわけではありません。大切なのは、銘柄数の分散に加えて、セクターの分散です。

 

次に、配当利回りに関してです。配当利回りが高いに越したことはないのですが、配当利回りが高い銘柄というのは、「財務状況の不安」や「株価の低下」であることが多いので、そこは注意が必要です。

 

最後に、組み入れ回数に関してです。組み入れ回数が少ないほうがパフォーマンスは高くなると言われています。そのため、HDVの年4回というのは多い気もします。

 

 

セクター別割合の比較

 ここで、それぞれのセクター割合を見ていきたいと思います。

 

VYM

f:id:ryu_ryuchan:20200504120741p:plain

 

VYMは、金融セクターが1番大きな割合を占めています。あとは、どのセクターもバランス良く入っています。

 

金融セクターは、金利や経済に敏感です。しかし、資本財やヘルスケアなどの景気に左右されにくいセクターの割合も大きいので、比較的バランスが取れていると思います。

 

また、米国株価の上昇を後押ししたテクノロジーも多く含まれています。今後もテクノロジーが好調ならば、VYMにとっては上昇要因につながるでしょう。

 

 

HDV

f:id:ryu_ryuchan:20200506173252p:plain

 

HDVは、エネルギーセクターの割合が1番大きな割合を占めています。そして、2番目に比較的に安定しているヘルスケアが入っており、次に通信と続きます。

 

しかし、エネルギーセクターの株価は2014年から下落傾向にあります。以下のチャートをご覧ください。

 

f:id:ryu_ryuchan:20200506173755p:plain

Google

 

これは、「VDE」といい、エネルギー銘柄で構成されているETFです。このように、米国株価が好調だった裏に、これほど伸び悩んでいるセクターがあったのです。

 

そして、HDVはそのセクターを1/4も含んでいるため、今後どうなるのかが不安要素となります。しかし、エネルギーセクターが上昇すれば、面白くなってくるでしょう。

 

 

SPYD

f:id:ryu_ryuchan:20200506175810p:plain

 

SPYDは、不動産が1番大きな割合を占めています。そして、金融、エネルギー、生活必需品セクターと続きます。

 

他とは違う組み入れセクター割合で、高配当を目指しています。しかし、財務が不安定な銘柄も組み入れられているため、経済不安が起きた時には大きく下落するでしょう。

 

 

上位組み入れ銘柄の比較

VYM

f:id:ryu_ryuchan:20200508234639p:plain

(バンガード)

 日本でも馴染みのある企業が上位に入っています。

 

 

HDV 

f:id:ryu_ryuchan:20200508234837p:plain

(ブラック・ロック)

エクソンモービルが10%も入っています。 こちらも日本で馴染みのある企業がいくつか入っています。

 

 

SPYD

f:id:ryu_ryuchan:20200508234954p:plain

(ステート・ストリート)

 聞いたことのない企業もあるのではないでしょうか。ほぼ聞いたことがないと思います。

 

 

株価の比較

セクター割合も大きく違い、組み入れ銘柄も異なっています。ということは、株価も異なる動きをしています。以下のチャートをご覧ください。

 

<VYM、HDV、SPYDの2015年からのチャート>

f:id:ryu_ryuchan:20200507214715p:plain

コロナショック前の段階では、 僅差ですが、VYMとSPYDが良い勝負をしています。もう少し、直近の株価を見ていきましょう。

 

<VYM、HDV、SPYDの1年間のチャート>

f:id:ryu_ryuchan:20200506180846p:plain

 ご覧の通り、コロナショックでSPYDだけ大きく下落していることが分かります。VYMと比べても、3倍近い下落率となっています。

 

なぜ、SPYDだけが一人負けみたいなことになったのでしょうか。

 

その原因として、以下のことが挙げられます。

 

  • 財務状況が不安な銘柄があり、設定年が浅い

SPYDは2015年からの運用で、リーマンショックを経験していません。HDVも2011年からの運用と経験していませんが、SPYDほどの暴落はしませんでした。また、組み入れ銘柄数もほぼ同じです。

 

なぜ、こんなにも差が出てしまったのでしょうか。

 

それは、HDVの組み入れ銘柄の多くが、財務状況が健全であるからです。そのため、400銘柄も分散しているVYMほどの下落で済みました。

 

  • 80銘柄で、均等加重平均を用いている

 均等加重平均とは、時価総額の大きい企業の株も小さい企業の株も同じくらいの割合で保有することを言います。そのため、時価総額の小さい企業が時価総額の大きい企業と同じくらいの影響力を持ちます。爆上げもあるし、爆下げもあるということです(笑)

 

 

 

 おすすめ

個人的には、「VYM」をおすすめします。

 

なぜなら、「唯一、リーマンショックを乗り越えている実績」「テクノロジーセクターが多く組み込まれているため、株価成長が期待できる」という2つの点です。

 

これから長期で保有してくなら、安心でき、成長する銘柄を買う必要があります。そのため、上記に書いたような点からVYMなのです。

 

しかし、財務状況が健全な銘柄が多く含まれている「HDV」、設定年が浅く、未知数な「SPYD」も面白いと思います。

 

 

まとめ 

今回は、米国高配当ETFの「VYM」「HDV」「SPYD」の比較をしていきました。

 

それぞれの銘柄が個性的で、魅力も違ってきます。テクノロジー多めか、エネルギー多めか、不動産多めか、それぞれの特徴も理解しておきましょう。

 

また、今回の暴落でどのような値動きをするのかも明らかになりました。自分ならどこまでの下落に耐えられるのか、検討してください。

 

そして、自分に合った銘柄を見つけ、それを信じて投資していき、決して売ることはしないようにしましょう。

 

投資は自己責任ですが、この記事が少しでも多くの人の役に立てれば光栄です 。