りゅうちゃんの投資ブログ

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<要約>『目からウロコが落ちる奇跡の経済教室【基礎知識編】』のまとめ・感想

 

今回は、中野剛志さんの著書「目からウロコが落ちる奇跡の経済教室【基礎知識編】」(KKベストセラーズ)を読んだので、そのまとめと感想を書いていきます。

 

この記事では、本書の「デフレ」と「財政破綻」を抜粋して書いています。

 

この本を読み終えた後に「なぜ、政府はこんなに簡単な政策が出来ないのだろう。」と、不思議に思うでしょう。

 

また、今までの経済常識が180度変わるほどの衝撃を受けます。

 

それでは、いきましょう!

 

 

はじめに

まずはじめに、「財政は黒字化しなくても良い。」「国の借金が増え続けても返済不能になることはない。」と、言われたらどう思いますか?

 

今までの常識で考えれば、「財政は黒字化にしないといけない。」「借金が増え続ければ返済不能になる。」という考え方が当たり前だったと思います。

 

経済学者や官僚のエリートたちでさえも思っていることです。

 

これが企業や家計なら、赤字や借金は倒産や家計が回らないなどの状態になります。

 

しかし、「政府は企業や家計とは考え方が異なる。」と、書いてあります。

 

そう聞くと、「財政は赤字で良いのか。」「国は借金を増やしても、返済不能にならないのか。」と、疑問に思うでしょう。

 

そんな疑問を本書は簡単に解説してくれます。

 

また、以下の政策をすれば、長年苦しめられたデフレから日本を救うことが出来るのです。

 

それでは、より詳しく書いていきます。(以下より要約をするため、ネタバレになります。)

 

 

要約

日本経済が成長しない理由は「デフレ」

 そもそもデフレとは、「物価が下がる=貨幣の価値が上がる」ことを言います。

 

デフレになると、人々は支出を止めて貨幣を持つようになります。そうなると、「需要不足/供給過剰」という状態になります。

 

そして、支出を止めると経済は成長しなくなります。下図はその流れを簡単に表したものです。

 

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このように、日本はデフレの中に何十年も抜け出せずにいるのです。

 

これだと、給料が上がらないのも当然のことでしょう。

 

 

デフレを抜け出す方法とは 

先ほども言ったように、デフレは「需要不足/供給過剰」のことを言います。一方、インフレは「需要過剰/供給不足」の状態です。

 

当たり前ですが、デフレ脱却にはデフレ対策をして、インフレ脱却にはインフレ対策をするのが普通です。

 

しかし、日本は長いデフレ時でもインフレ対策をするという、本来やるべきではない対策をしてしまった。というのです。

 

それでは、デフレ時に行う対策とは何でしょうか。需要対策と供給対策で、それぞれ見ていきます。

 

 

需要対策

需要対策としては、「大きな政府」と「金融緩和」をしなければなりません。金融緩和に関しては、すでに行っているので、省略します。

 

ここでは、大きな政府の話をします。

 

大きな政府とは、「需要を増やし」、「減税」をすることです。

 

まず、需要を増やす例としては、社会保障費や公共投資を拡大するなどして、財政支出を拡大することが挙げられます。公務員を増やすのも良いでしょう。

 

一方、減税はその名の通りで、消費税を減らしたり、企業に対しての投資減税を行ったりします。

 

こうするとことで、「政府が財政支出を増やし、税収を減らす。」ということになります。(歳入<歳出ですね。)

 

これで、財政赤字を拡大する形が出来ました。

 

この政策は、とても受け入れ難いことですよね。企業だったら、倒産です。

 

ただ、それがデフレ時の需要対策となるのです。

 

また、インフレ時には、その逆の政策をすればいいだけのことです。

 

 

供給対策

次は、供給対策について書いていきます。

 

デフレは「供給過剰」の状態なので、供給を抑制することが効果的です。

 

その例としては、「競争抑制」や「グローバル化の抑制」などです。

 

競争抑制と聞くと、それこそ経済成長がしないように感じてしまいます。

 

しかし、企業の生産性が向上すると、供給過剰がさらに酷くなってしまいます。

 

そのため、企業は「競争」よりも「協調」をした方が良いと書いてあります。

 

一方、グローバル抑制は、ヒト・モノ・カネの国際的な移動を制限することです。

 

こうすることで、国内市場が保護され、グローバル化の抑制になります。

 

ただ、「国際競争力のある産業まで保護する必要ない。」と書いてあります。

 

 ここまでで、「なぜ日本がデフレから抜け出せないのか。」ということがお分かり頂けたのではないでしょうか。

 

 

国債は、返済不能にならない?

本書では、「自国で通貨を発行できる国は、自国通貨建て国債が返済不能になることはない。」と書いてあります。

 

そのように聞くと、「ギリシャやアルゼンチンは、なぜ破綻したのか。」と、思うでしょう。

 

ギリシャEUの共通通貨のユーロを使います。そのため、ギリシャの独断でユーロは発行できません。

  • アルゼンチン

一方、アルゼンチンは自国通貨を発行できます。これについては、ギリシャとは違うところです。しかし、外貨建て国債が返済できなかったため、破綻しました。

 

以上のことから、自国通貨発行権を有する日本が、自国通貨建て国債で破綻することはあり得ません。

 

 

まとめ

これまでのまとめ入ります。

 

  • 日本は長年デフレに苦しめられていた
  • デフレは「需要不足/供給過剰」の状態のこと
  • デフレ脱却のためには、需要を増やし、供給を抑制する

 

 

感想

今回は、中野剛志さんの『目からウロコが落ちる奇跡の経済教室【基礎知識編】』について書きました。

 

この記事では、本書で私が衝撃を受けたものを抜粋して書きました。

 

この他にも、「税金」「お金」「仮想通貨」「MMT(現代貨幣理論)」「信用貨幣論」「機能的財政論」など、多くのことが書かれています。

 

言葉を見る限り、すべてが難しく思えますが、本書ではとても分かりやすく書かれています。

 

「自分には関係がないこと。」なんて思わず、今後の日本が同じ過ちを犯さないためにも、ひとりひとりが正しい考えや知識を身に付けていきましょう。

 

ぜひ、一度読んでいただきたいです。