りゅうちゃんの投資ブログ

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【要約】『WHY BLOCKCHAIN なぜ、ブロックチェーンなのか?』の感想、まとめ

 

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今回は、坪井大輔さんの『WHY BLOCKCHAIN なぜ、ブロックチェーンなのか?』という本についての感想を書きたいと思います。

 

 

・はじめに

 私がこの本を知るきっかけとなったのは、オリエンタルラジオのあっちゃんこと、中田敦彦さんがYouTubeで紹介してくれたことで知りました。

 

まず、皆さんは「ブロックチェーン」と聞いて、何を想像しますか?

 

多くの人が2016~17年の年末に価格が急騰し、話題となった「仮想通貨」や「ビットコイン」を想像するのではないでしょうか。ビットコインという言葉だけが皆に知られ、ブロックチェーンという技術は知られないまま価格だけが上がっていきました。

 

そして、世の中に出ているブロックチェーンの本は、大体がトレードについてや、仮想通貨の今後などについてが多いです。しかし、この本は「ブロックチェーンの可能性」や「今後どのように使われていくのか」を教えてくれます。

 

また、皆さんが思っている、「ブロックチェーンビットコイン」という考えを変えさせてくれます。

 

内容は少し難しかもしれませんが、何回か読んだり、中田敦彦さんのYouTubeを見たりするうちに理解できると思います。

 

 

・中央集権型の崩壊

  著者は冒頭で、ブロックチェーンは人類に、管理者のいない社会をもたらします。それは、私たちがまだ見たことのない世界です。これまでのような、特定のボスを中心とした中央集権型の組織が崩れ、個々の人間は自立した存在となります。」と言っています。

 

今、私たちはGAFA(GoogleAmazonFacebookApple)が支配する中央集権型の社会の中にいます。このGAFAが無くては生活に大きな支障をきたすほどです。

 

しかし、ブロックチェーンの登場により、「中央集権型の崩壊=GAFA」を倒すことが出来る企業が出てくるのかもしれません。そのため、各国企業はこの覇権を握るために莫大な資金を投入しています。

 

 

・5G時代の「4種の神器」

まず5Gですが、日本では2020年の春ごろから5Gの運用が始まります。これにより、C to Cが比べ物にならないくらい成長、加速していきます。個人の発信力が高まり、世界が広がります。

 

そして、今現在のITを認識する上で欠かすことのできない4つをまとめたものを「4種の神器」と呼んでいます。それが以下の4つです。

 

これの組み合わせを簡単に説明ます。「IoTでデータを取り、それをクラウドに保管する。クラウド上のデータはブロックチェーンで仕分けしてセキュリティ対策を万全にし、そして必要なデータをAIによって活用していく。」これで今のテクノロジーがすべて揃い、今後いろんな産業で革命的なことが起こる舞台装置が整いました。

 

IoT、クラウド、AIに関しては、GAFAが覇権を握っています。これは中央集権型の仕組みです。一方、ブロックチェーンに関してはどの企業が覇権を握るのかは分かりません。覇権を握ることが出来れば、GAFAを倒すことが出来ます。これは自律分散型の仕組みで、管理者のいない社会をもたらします。

 

著者もIoT、クラウド、AIなんかとは比べ物にならないくらいの発明だと言っています。

 

 

ブロックチェーンの4つの技術

いよいよ、本題です。ブロックチェーンの技術を紹介します。本書では、引っ越しを例として紹介しています。聞きなれない言葉が多いと思うので、→後の言葉を覚えといてもらえると良いと思います。

 

  • 暗号化技術➔箱に詰めて、並べる

皆さんが書いたテキストがそのままインターネットに出ていくわけではありません。送るときに、そのテキストは暗号化されています。暗号化技術はそれと同じで、1回の取引ごとに、その取引の記録が暗号化されることを意味しています。

 

また、暗号化技術の関連で「ブロック管理」といわれるものがります。これは引っ越しでいう、箱に詰めて並べる作業です。

 

ブロックという箱(段ボール)に、データ(皿やグラス)を入れ、いっぱいになったら内容を確認し封をする。そして何が入っているのかを書いておく。これがブロック管理です。みんなが分かるようにしておきます。

 

参加者が嘘のブロックを作って、勝手に繋げていったら大変なことになります。そうならないために、暗号化されたデータをブロックにするとき、「これでいいですか?」と全員に確認する作業です。「コンセンサス」は確認と意味があります。

 

引っ越しでいうと、「この段ボールには服を詰めたので見てください。他に変なものは入っていないですよね?」と見せ、「確かに入っていない」とみんながOKを出したら封をする。という流れです。

 

みんなからOKをもらうという「合意形成」、この作業がコンセンサスアルゴリズムと呼ばれています。ビットコインでいう、マイニングと言われる作業です。

 

  • P2P➔リーダーはいないからみんなでやる

個々の参加者同士が通信する技術で、どこか一か所のPCやサーバーが故障しても、他が同じ情報を持っているので大丈夫という分散型の構図です。中央集権型だと、一つのデータを持っていてそこが潰れたらアウトだけれども、分散型なら全員が持ち合っているからデータが無くなることはないです。これがP2Pの技術です。

 

  • DLT(分散型台帳技術)➔記録をみんなで持つ

P2Pでつくる分散型モデルの中の、一か所一か所に台帳を持っている状態です。

 

これは皆が情報を見れるというデメリットの面もありますが、みんなが情報を見れることで改ざんをしたら分かるという面もあります。この改ざんされないというのが、DLT最大の利点です。参加者全員が一斉にデータの改ざんをしない限り、改ざんは事実上不可能です。これがDLTです。

 

「箱に詰めて並べる➔みんなで確認➔リーダーはいないからみんなでやる➔記録をみんなで持つ」という流れになります。

 

 

ブロックチェーンに向かないこと

ここまで聞くと、「みんながブロックチェーンを利用すれば良いのに。」と思うかもしれません。しかし、ブロックチェーンにも向いていないことがあります。それが以下の3つ、本書で紹介されています。

 

  • 一件あたりのデータが大きい場合

 10分間に4,200件以上のデータが発生すると遅延します。極論、管理するデータが一件あたり数ギガバイトあって、それを1日何千万件、何億件処理しなければならない、というような案件はブロックチェーンに向いていません。

 

  • 特定のデータのみを検索してすぐ取り出したい場合

 「〇年〇月〇日時点の、この取引を今すぐ見たい」というとき、すぐにはできません。検索するには、暗号化されたデータを解除しなければなりません。そのため、時間がかかってしまいます。

 

  • 個体管理しにくいもの

正直ここは説明しづらいですが、例えば、ブロックチェーンを導入して野菜に一個一個シリアルナンバーを振ってまで管理をする必要があるのか、コストが見合っているのかの判断が必要になります。

 

 

まとめ 

 ここまで簡単に省略して書きました。より詳しく知りたい方、ブロックチェーンに興味をもってくれた方は本書を見て頂きたいです。

 

「人類の未来を変えるブロックチェーン」「自律分散型ネットワークの明日へ」、ブロックチェーンの普及で世界はより快適に、より自由になってくると思います。未来が楽しみです。