米国高配当ETFの「HDV」とは?メリット・デメリット
今回は米国高配当ETFの「HDV」について書いていきたいと思います。
同じ米国高配当ETFの「SPYD」について書いたので、気になる人は見てください。
HDVとは?
正式名称は、iシェアーズ コア米国高配当株 ETF(iShares Core HighDividend ETF)です。
通常、モーニングスター配当フォーカス指数(同指数)の価格と利回りパフォーマンスに連動した投資成果を目指す。
同指数は、財務健全性が高く、同時に持続的に平均以上の配当を支払うことのできる、質の高い米国企業への投資機会を提供する。同指数は75銘柄で構成されており、投資家に配当を支払うことのできる資金余力(配当力)によってウェイト付けを行う。(楽天証券)
「HDV」の特徴を簡単にまとめると、以下のようになります。
- 米国の有名・優良企業に投資する
- 財務状態が健全であり、配当金を支払っている企業の株式75銘柄に投資する
- インカム獲得を目指すために活用できる
基本情報(2020/4/29)
- 運用会社➡ブラックロック社
- 設定年➡2011/3/29
- 単価(ドル)➡81
- 経費率➡0.08%
- 純資産総額(百万米ドル)➡5,624
- 銘柄数➡75銘柄
- 配当頻度➡年4回
- 配当率➡3~4%
- 組み入れ回数➡年4回
- 1年パフォーマンス➡-10.49%
「SPYD」の配当率が5%ほどなので、比べてしまうと低く感じますが、十分な配当率だと思います。
1年パフォーマンスは大きくマイナスとなっています。これは、どの米国株ETFにも言えることなので、仕方のないことだと思います。コロナが終息してからの株価が楽しみです。
運用会社
HDVは「ブラックロック」という会社が運用しています。ブラックロック社は、世界の三大運用会社の一つで、運用資産残高は約700兆円もあります(3社中トップ)。超大手の会社が運用しているため、安心して任せられるでしょう。
株価
ここで、株価を見ていきましょう。
(Google)
設定日は50ドル付近でしたが、そこから上昇していき、コロナショック前に100ドル近い値を付けました。10年以内で2倍にも膨れ上がっています。そして現在、V字回復しています。
組み入れ上位銘柄
2020年5月現在の上位銘柄は以下の通りです。
皆さんの知っている会社が数社ほどあるのではないでしょうか。また、割合が一番大きい「エクソンモービル」ですが、ここ数年は伸び悩んでいます。しかし、高い配当率や連続増配をしているので、人気はあります。
上位銘柄のセクター割合は、「エネルギー2社」「通信2社」「ヘルスケア2社」「テクノロジー1社」「生活必需品2社」となっています。
セクター別の割合
セクター別の割合は以下のようになっています。
HDVのセクターは、「エネルギー」と「ヘルスケア」で4割以上を占めています。景気・原油価格に左右されるエネルギーと、景気に左右されにくいヘルスケアを組み合わせています。
ここで、「SPYD」のセクター別の割合を見てみましょう。
見ての通り、お互いをカバーしているように見えます。また、この2つを組み合わせて保有している人が多いです。
HDVのメリット・デメリット
メリット
- 高配当が見込める
高配当ETFの名の通り、この商品の一番のメリットは何と言っても高い分配金です。2020年5月現在の配当利回りは4.62%あります。
- キャピタルゲインも狙える
HDVは高配当なのに株価も上昇しています。「インカム+キャピタル」という、良いとこ取りが出来てしまうのです。
下のグラフは、HDVの2011年以来のチャートです。
年平均で11%ほどのリターンになります。10年弱で2.5倍のリターンが得られるということです。
- 経費率の低さ
HDVの経費率は「0.08%」と、超低コストのため、10年、20年と長期運用が出来ます。例えば、100万円買っても、800円しかコストがかからない計算です。
また、「SPYD」は0.07%ですが、0.01%のコストは全然気にしなくても大丈夫です。
デメリット
- エネルギーセクターの今後が不安
HDVのセクター比率で一番大きい割合を占めているのがエネルギーセクターです。しかし、原油価格の下落もあり、エネルギーセクターがここ数年伸び悩んでいます。そのため、今後が不安な気もします。
下のグラフは「VDE」と言って、米国のエネルギー株に投資するETFです。
見ての通り下落が続いており、2008年のリーマンショック時よりも下げていることが分かります。このセクターが今後も足を引っ張る形になれば、伸び悩むことになるでしょう。
- 組み入れ回数が多い
「組み入れ回数が多いほうが良いのでは?」と、思うかもしれませんが、組み入れ回数が少ないほうがトータルリターンが高いと言われています。
そのため、HDVの組み入れ回数が4回、SPYDが2回、VYMが1回なので、ちょっと多い気がします。
HDVの配当金の推移(四半期)
これは、2011年~2020年の配当金の推移をグラフにしたものです。
ご覧の通り、配当金は右肩上がりに伸びています。
まとめ
今回は『米国高配当ETFの「HDV」とは?メリット・デメリット』について書いていきました。
HDVの安定した株価と配当率は何と言っても魅力です。一方、今後のエネルギーセクターの問題点もあるため、どうなっていくのかが楽しみです。
また、SPYDを保有している人は、HDVの保有も検討してみて下さい。2つが合わさることで、セクターバランスが取れ、より安定したものになるかもしれません。
投資をする際は、長期で保有し、なるべく売らないようにしましょう。