りゅうちゃんの投資ブログ

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【要約】ジム・ロジャーズ著「お金の流れで読む 日本と世界の未来」



今回は、ジム・ロジャーズ著の「お金の流れで読む 日本と世界の未来」という本を読んだので、その中から心に響いたことを抜粋していきます。

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ジム・ロジャーズは、ウォーレン・バフェットジョージ・ソロスと並ぶ「世界三大投資家」の一人です。日本への投資もしている著者が、日本の未来とこれから投資すべき産業について書いているので、気になる方は見てください。

日本の未来 

 著者は「日本の将来は悲観的である」と述べています。その理由として以下の3つが挙げられます。

  • 人口減少
  • 借金増大
  • 移民を受け入れない

そして、こうした国々が亡びていくのは「歴史の必然」だと言います。特に「移民を受け入れない」ことについて、著者は問題視しています。著者は「もっと移民を受け入れよ」と言っているのです。

移民がもたらすこと

移民を受け入れることで、新しい活力、新しい血統、資本、アイデア、興奮、刺激を国内にもたらします。そして、繁栄している国は多くの移民を受け入れているのです。また、移民を受け入れることで、少子化による働き手問題と移民者が納税することで税収も上がるので移民を受け入れることは良いと思います。

 

ここで問題になるのが、「移民への差別」と「移民による犯罪」です。

 

まず「移民への差別」ですが、これは多く見受けられます。在日外国人への職業、入居、教育など様々な差別あります。また、2018年に国連も勧告しているほどです。

 

次に「移民による犯罪」です。多くの人が「移民の受け入れで犯罪が増えるのではないか?」と思うかもしれません。しかし、これについて著者は「いいえ」と答えているのです。外国人が罪を犯したときだけ、ことさらに「外国人」であることを強調するので「外国人はみな犯罪者だ」という「先入観」を植え付けてしまうそうです。

 

また、「文化」についても問題になると思いますが、これについても問題はありません。日本でも、在日韓国人は完璧な日本語を話し、なかには日本の名前を持っている人もいます。進学先も日本の学校に行く人も多くいます。

 

上記で挙げた問題はあまり気にしなくても大丈夫みたいです。そして、移民は自国を出てくる「勇気」と「クレイジーさ」がなければできません。そんな移民者を私たちは歓迎していきましょう。

 

日本再興への道

先ほど、「人口減少」「借金増大」「移民を受け入れない」という問題があり、「日本の未来は悲観的」であると書きました。しかし、以下の2つを行うことで「希望は大いにある」と言います。

  • 日本人の強みを最大限に活かす
  • これから伸びる産業に積極的に投資する

 この2つを行い、日本を再興させましょう。 

 

日本人の強みを最大限に活かす 

 それでは、日本人が持つ3つの強みと日本経済への3つ処方箋について書きたいと思います。

 

①クオリティ(品質)への探求心

まずはクオリティ(品質)への探求心についてです。その姿勢がこそが、戦後の日本を偉大な国にしました。ドイツ人、オランダ人、オーストリア人といったドイツ系も非常に厳格ですが、日本に匹敵するレベルではないそうです。また、多少値段が高くとも、海外製よりも日本製のモノを買うほど品質に関しては良いです。

 

ここで、アメリカ人が仰天した日本のモノづくりに関しての話をします。

(1)アルミニウム 

1950年代、世界最大のアルミニウム会社「アルコア」のCEOがどこかから持ってきた大きなロール(アルミロール)を社員に見せました。CEOと社員はそのロールを見て、「アメリカでこんなにも品質が良いアルミニウムは見たことがない。これは史上最高品質だ!」と驚いたそうです。

 

そのアルミニウムロールは日本で作られたモノで、日本にとっては「普通」のアルミニウムだったのです。アメリカでの「史上最高品質」は日本にとっての「普通」で、日本の品質が群を抜いて高かったことが分かります。

 

(2)自動車

 1965年代、アメリカ最大(世界最大?)の自動車メーカーだったゼネラル・モーターズGM)がありました。ある日、「日本から自動車がやってくる」という話がありましたが、GMは「日本から車?へぇー、、、」と全く相手にしていませんでした。

 

しかし、日本からから来た車(トヨタ)は「高品質」「低価格」であったため、多くのアメリカ人が買い、人気が出ました。そして、相手にしていなかったGMは倒産してしまうのです。

 

(3)バイク

ホンダが1950~60年代に、オートバイを持ってアメリカに乗り込んでいきました。その時の宣伝文句が「YOU MEET THE NICEST PEOPLE ON HONDA(ホンダのオートバイに乗ると最高に善良な人たちに会える)」でした。タフさを自負するハーレーダビッドソン乗りの人は「nice」などなりたくないと、ホンダをあざけ笑いました。

 

しかし、20~30年後にハーレーダビッドソンは倒産しかかるのです。一方、ホンダは世界で最大のオートバイメーカーになったのです。

 

②類まれなる国民性

  次に類まれなる国民性について書きます。著者が初めて日本を訪れた際「日本人は絶えず働いている」と感じたそうです。また、日本人はどんな要望に対しても「はい」「やります」「できます」と否定する前に答えると言っています。これは世界基準で考えたら信じられないことです。

 

日本の百貨店やスーパーなどのサービス業において、閉店時刻になっても「ゆっくり買い物をしてください」という考えは、世界ではありえないそうです。他国なら「閉店時刻になりました。従業員は帰ります」でおしまいというのです。

 

日本人の働くことへの真摯な姿勢は、世界中で成功している起業家がみな持っていることらしいです。

 

 ③貯蓄率の高さ

最後に日本人の貯蓄率の高さについてです。日本人は資産を現金で持つことが大好きで、差はあるとしても大抵の人がわずかでも貯金を持っています。アメリカとイギリスと比べると分かると思います。


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内閣府経済白書、昭和50年年次経済報告書を元に作成

そして、経済が成長するには資本が必要で、その資本は投資によって増えていきます。そのため、資本主義の概念がない国の経済は成長しません。

 

そして、戦後の日本も国民の貯蓄で銀行が次々と企業設備に投資をし、非常に高い投資率となっていました。戦後約15年で、日本の総固定資本形成比率(政府と民間が行う実物投資の総額。インフラや建設、住宅、設備投資など)は欧米の主要な国のどこよりも高い数値になりました。さらに、各国のほぼ2倍に及ぶ高度成長を実現させ、世界で最も成長した国になりました。


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しかし、現在の日本ではアメリカやイギリスと比べると、そこまで積極的に投資が行われていません。


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その理由として、日本政府が原因ではないかと思います。政府はなぜか、お金を貯めて投資をしようとする人たちに損をさせようとする政策を出しているのです。その結果、多くの人がリターンが得られる国へ持っていくのです。

 

以上の3つが日本の強みとなっています。そして、日本再興への道となっています。

 

 これから伸びる産業に積極的に投資する

 これから投資すべき産業として、著者は3つを挙げています。

  • 観光
  • 農業
  • 教育
観光

 観光産業はまだまだ伸びていくでしょう。2020年の東京オリンピック後に訪日客が落ち込むことが予想されています。しかし、オリンピックで訪日した人が日本の素晴らしさを知り、オリンピック後にも訪日してくれればより観光産業は盛り上がるでしょう。

 

また、著者は「古民家」について「古民家は外国人を魅了する」と書いています。「和」を感じられる宿泊施設なので、ホテルにないものがあると思います。

  

農業

 現在、日本の農業従事者の平均年齢は66歳となっています。農業は競争がない業界のため、担い手さえいれば明るいでしょう。しかし、若者は田舎で暮らすのを嫌ったり、そこまで大変なことをしなくてもお金がもらえる環境にいるため、農業をやりたいと思う人は少ないです。

 

そこで、著者は担い手として「移民者」にやってもらうと言っています。低賃金で居住場所をあたえ、農業をしてもらえばよいと考えています。

 

教育

近年、日本の大学では定員割れが起きています。しかし、近隣国の中国や韓国では大学の競争率が高く、入れない人もいます。そこで、そういった人に日本の大学へ来てもらうのも良いと思います。英語での講義をしなくてはならないが、そこは仕方がないことでしょう。

 

以上の3つが「これから投資すべき産業である」と言っています。特に「観光」と「農業」には、積極的に投資をしていきたいと言っていました。

 

まとめ

  • 日本の将来は悲観的➔「人口減少」「借金増大」「移民を受け入れない」
  • 移民を受け入れることで、日本はより繁栄する
  • 日本人の強み➔「クオリティ(品質)への探求心」「類まれなる国民性」「貯蓄率の高さ」
  • 投資すべき産業➔「観光」「農業」「教育」

 「日本はオワコン」「日本より海外への投資」など、「日本は成長しない」という人が多くいます。しかし、日本の逆転は不可能ではありません。日本人の強みを活かして、これからより良い日本を作っていきましょう。